メニュー

訪問歯科と話す力:コミュニケーションを守るために

[2025.05.01]

ご家族に「昨日のご飯は何だった?」と聞いてみると、すっと言葉が出てこないことがあるかもしれません。

そんな小さな変化が、実はお口の健康と深く関わっていることをご存じでしょうか?

訪問歯科の現場では、歯や舌、唇の状態が「話す力」に直結していると感じる場面が度々あります。今回は、口腔機能と話す力の関係、すぎうら歯科クリニックがどのように支援できるのかをご紹介します。

「話す」ために必要な口の機能とは?

私たちがスムーズに会話をするためには、たくさんの器官が連携して働く必要があります。つまり、「話す」という行為は、単に脳からの命令だけでなく、口腔全体の健康が支えているのです。

はっきり発音をするために不可欠です。前歯がないと、特にサ行・タ行などは発音しづらくなります。

言葉を正確に作ることを助けます。舌の動きが悪くなると、ろれつが回らなくなります。

パ行・バ行など、唇を閉じる音の発音に重要です。

顎を使った口の開け閉めがうまくいかないと、滑らかな会話が難しくなります。

訪問歯科ができる「話す力」へのアプローチ

訪問歯科では、コミュニケーションの質を支えるために下のような対応を行っています。

義歯の調整・作り替え

入れ歯が合わないと発音が難しくなってしまいます。特に「さしすせそ」が言いづらくなることが多く、会話の明瞭さに影響します。調整や製作によって話しやすさの改善が期待できます。

舌の動きと筋力をチェック

嚥下機能と同様、舌の動きは「話す力」にも関係します。訪問時には、簡単な発音テストや舌圧検査を通して、会話の土台を確認することもあります。

お口の清掃による環境改善

口の中が汚れていたり、乾燥していたりすると、話すこと自体が億劫になります。定期的な口腔ケアで快適な状態を保つことが、話す意欲にもつながります。

「話す力」がもたらす心への影響

高齢者にとって、話すことは単なる情報伝達手段ではなく、他者とのコミュニケーションを通して社会とのつながりを実感する大切な行為です。

会話が弾むことで生活にハリが出る

自分の気持ちを伝えられる、相手と笑い合える、それだけで気持ちが明るくなるという方は少なくありません。

認知機能の低下予防にも

話すことで脳が活性化し、記憶や判断力にも良い影響を与えるという報告もあります。
特に、昔話や思い出話をすることは脳に刺激を与える良いトレーニングになります。

家族や介護者との信頼関係を深める

「ありがとう」「嬉しい」などの一言が言えることが、周囲との関係性にも大きな影響を与えます。

訪問歯科の役割は「噛むこと」だけじゃない

訪問歯科=食べることの支援というイメージが強いかもしれませんが、実は話す力を守ることも、訪問歯科の大切な使命の一つです。

最近声が小さくなった、聞き取りづらくなったと感じたら、それは口からのSOSかもしれません。定期的な口腔ケアとチェックを通して、話す力の低下に早く気づくことができます。

自分の言葉で思いを伝えることは、コミュニケーションの基本であり、QOLにも影響を及ぼします。訪問歯科は、患者様の話す力を支えるために、日々さまざまな工夫をしながら現場に伺っています。

「食べる」も「話す」も、どちらも人生の大切な営みです。

これからも、お口の健康から患者さんの生きる力を支えていきたいと思います。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

診療時間 AM9:00~PM1:00/PM2:30~PM7:00
※土曜日の午後はPM2:00~PM5:00まで。休診日:木曜日・日曜日・祝日