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予防歯科

予防歯科について

歯科には、「予防歯科」と「治療歯科」があります。歯のトラブルや痛みを抱えて歯科医院にかかるのが治療歯科です。一方で、予防歯科の目的は、口の中の健康を維持して、美しい歯を育てることです。
いつまでも健康的な自分の歯で過ごすためには、歯や歯茎が悪くなってから治療するのではなく、将来を見据えた予防的な歯のケア・メンテナンス・口腔衛生管理が重要です。

予防歯科革命

当院では、「予防歯科革命」というスローガンを掲げています。患者様に予防の大切さを知っていただき、正しい知識を身につけていただきたいという思いで、これまで診療にあたってきました。
現在は、毎月約1,800名の患者様がいらっしゃり、そのうち1,200人が予防歯科の患者様です。これからも、もっとたくさんの方に、予防の大切さを啓発していきたいと考えています。

予防歯科の効果

日本人が歯を失う原因の第一位が「歯周病」、第二位は「虫歯」です。さらに、歯周病は全身の病気とも深く関わっています。
予防歯科で、定期的に専門的なメンテナンスを受けると、お口の健康状態は大きく変わります。また、それは早ければ早いほど効果的です。小さなお子様であれば、虫歯がない環境をつくることができ、おとなは、虫歯や歯周病の予防、口臭予防にもつながります。高齢者にとっては、認知症や誤嚥性肺炎の予防、アンチエイジング効果も期待できます。

歯周病と全身疾患

歯周病は全身の病気とも深く関わっています。糖尿病の合併症の第6位が歯周病です。歯周病菌が原因となり、心疾患や脳血管障害、肺炎を引き起こすこともあります。
将来にわたる健康のためにも、歯周病を予防して、かからないようにすることが大切です。

糖尿病

歯周病によって発生する毒素が血液中に入り込むことで、インスリンの機能を阻害して糖尿病を悪化させるといわれています。
最新の研究では、お口の中の状態が良くなると、糖尿病の血糖値も良くなるという報告がなされています。

誤嚥性肺炎

歯周病の原因菌が混じった唾液や、消化管内容物を誤嚥することで、肺炎を引き起こす恐れがあります。

脳梗塞

重度の歯周病があると、歯周病のない人に比べて、脳梗塞を発症するリスクが高いことが報告されています。

心臓病 (細菌性心内膜炎・狭心症・心筋梗塞)

歯周病菌が血液中に入り、心臓の弁やその周囲に感染すると、心内膜炎を引き起こすことがあります。
また、血管壁に炎症を生じさせ、動脈硬化を促進してしまいます。

予防歯科と医療費

定期的に歯科医院で検診を受けている人は、歯科検診に行っていない人に比べると、すべての病気にかかる生涯の総医療費が低くなるという統計結果があります。

トヨタ自動車の組合員を対象にした統計

組合員52,600人を「年に2回以上、歯科医院で定期的に歯石を取っていた人達」と「痛いときだけ歯科医院を受診していた人達」の2つのグループに分けて、必要とした総医療費を比較しました。
統計の結果、予防に努めている人は医療費が下がり、生涯の総医療費が低くなることがわかりました。

分析結果
  • 48歳までは、歯の定期検診に行っていた人達は、年間2万円の歯石を取り除く費用がかかっていたため、定期検診に行っていない人達に比べて、総医療費は高かったです。
  • しかし、49歳からは立場が逆転して、定期検診に行っていない人達の方が病気にかかりやすくなり、総医療費が高くなりました。
  • そのうえ、65歳では、歯の定期検診に行っていない人は1年間で15万円も高く医療費がかかり、65歳以上ではその差がもっと広がることがわかりました。

すぎうら式予防歯科

各年齢ステージに合った予防歯科プログラム

「マタニティ」「こども」「おとな」「高齢者」の4つのステージに分けて、各ステージに合った予防歯科プログラムを展開しています。

マイナス1歳から始めるマタニティ歯科

「マタニティ歯科」とは、妊婦さんを対象として歯科診療です。妊娠4~7カ月の安定期に入ったら、歯科検診を受けましょう。
妊婦さんの健康状態は、生まれてくる赤ちゃんの歯に影響を与えやすいといわれています。また、妊娠中は、ホルモンバランスの変化でお口の中が不安定になりがちです。つわりで十分な歯磨きができない人もおられます。また、歯周病の原因となる細菌は、早産や未熟児の出産につながるリスクが指摘されています。
お母さんと赤ちゃんのお口の健康のために、妊娠中、つまり「マイナス1歳」から虫歯や歯周病を予防することはとても大切です。

こども予防歯科

生後6カ月頃、赤ちゃんに乳歯が生え始めたら、歯医者さんデビューをしましょう。
お子様に対しては、3カ月に1回の定期検診をお勧めしています。
乳歯や生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすく、進行も速いです。ご自宅での歯磨きに加えて、予防歯科で定期的に専門的なメンテナンスを受けると、小さなお子様であれば、虫歯がない環境をつくることができます。これは早ければ早いほど効果的です。
小さい頃から歯医者さんに慣れているお子様は、治療への抵抗が少なく、予防意識も高まります。

おとな予防歯科

日本人が歯を失う原因の第一位は「歯周病」、第二位が「虫歯」です。
特に歯科治療を行っておらず、虫歯になりにくく、歯周病のない人であっても、最低1年に1回の定期検診を受けましょう。
年齢が高かったり、虫歯になりやすかったり、歯周病のある人は、3~6カ月に1回検診を受けることをお勧めします。
歯並びの悪い人やドライマウスのある人は、2カ月に1回の検診を推奨します。

高齢者予防歯科

高齢になると、お口の中の環境の変化から虫歯や歯周病になりやすいといわれています。
高齢者に対しては、月に1回の検診をお勧めしています。
将来にわたって自分の歯を使い続けるためには、定期的に歯科医の検診、メンテナンスを受けましょう。
自分の歯でしっかり噛んで食べることができれば、認知症の予防にもなり、見た目も若々しくなります。

歯科人間ドック

当院は、年に1回の歯科人間ドックを推奨しています。
歯科人間ドックは、自覚症状がない病気の早期発見を目的とする人間ドックと同様に、歯が痛くなったり、お口のトラブルを抱えたりしてからではなく、今の健康なお口の状態をよりよく維持するための歯科検診です。
現在のお口の状態や、虫歯・歯周病のリスク、ドライマウスや口臭の状況、顎関節症の有無、粘膜の悪性腫瘍の有無などがわかります。

自宅でのセルフ予防歯科指導

ご自宅でのセルフケアは、虫歯や歯周病予防のために必要不可欠です。
お口の中を清潔に保つには、歯ブラシだけでは不十分。歯と歯の隙間は、デンタルフロスや歯間ブラシを活用しましょう。それから、舌を綺麗に磨く舌ブラシもお勧めです。

お勧めデンタルグッズ

歯科医師や歯科衛生士が患者様に合わせたデンタルグッズやケア方法を指導します。
ここでは、一例を紹介します。

V7歯ブラシ

毛先が鋭いため、歯と歯茎の間に入り込み、汚れを取り除いてくれます。

シリコン製舌ブラシ

富山県内の10の介護施設で誤嚥性肺炎ゼロの実績を持つ、口腔ケア専門家チーム「TeethAi」推奨の“シリコン製舌ブラシ”。
舌の奥の汚れまで取れるうえに、舌ブラシによる口腔内のつぼ押しが誤嚥性肺炎の予防につながります。

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